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マシニング加工とは?種類や特徴、依頼できる会社の選び方を解説

マシニング加工とは、コンピュータ数値制御によって工具を自動で交換しながら、フライス削りや穴あけ、ねじ切りといった複数の切削工程を1台の機械で完結させる加工方法です。

この記事では、マシニング加工の基礎知識からメリット、マシニングセンタの種類、そして加工を依頼する会社の選び方までを網羅的に解説します。

マシニング加工とは何かを理解し、適切な外注先選定に役立ててください。

マシニング加工の基本をSから解説!その仕組みとは?

マシニング加工は、マシニングセンタと呼ばれる工作機械を用いて材料を削り、目的の形状に仕上げる技術です。この機械の最大の特徴は、NC(数値制御)装置にプログラミングされた指令に基づき、多種多様な工具を自動で交換するATC(オートツールチェンジャー)機能を備えている点にあります。

この機能により、段取り替えの手間を大幅に削減し、フライス加工や穴あけ、ねじ切りといった異なる種類の加工を連続して行うことが可能です。マシニング加工の基礎知識として、この自動化された連続加工が生産性と精度の向上に貢献している点を押さえておくことが重要です。

マシニング加工で実現できる3つのメリット

マシニング加工を導入または外部へ依頼することで、製造プロセスにおいて多くのメリットが得られます。

最大の利点は、従来複数の機械で行っていた作業を1台に集約できることによる生産性の向上です。

また、コンピュータプログラムに基づいて加工が進められるため、人為的なミスが減り、品質が安定します。

さらに、多軸制御が可能な機械を用いることで、手作業では難しい3次元の複雑な形状も高精度に実現できる点も大きな強みです。

これらのメリットは、コスト削減や製品の高付加価値化に直結します。

複数の切削工程を1台の機械に集約できる

マシニング加工の大きな利点は、1台の機械に多様な加工機能を集約できる点にあります。
従来であれば、フライス加工、穴あけ加工、中ぐり加工、ネジ加工、リーマ仕上げ、さらには一部の研削加工など、それぞれの工程ごとに専用の機械が必要でした。

しかしマシニングセンタでは、ATC機能によってこれらの工程で使用する工具を自動で交換し、一連の作業を連続して行えます。
これにより、加工のたびにワークを別の機械へ移動させて再設定する「段取り替え」の手間と時間が大幅に削減されます。
結果として、リードタイムの短縮と生産コストの削減が実現します。

プログラム制御により安定した品質を維持できる

マシニング加工は、事前に作成されたNCプログラムに基づいて機械が自動で動くため、作業者の熟練度に左右されることなく、安定した品質の製品を繰り返し生産できます。

人の手による汎用機での作業では、寸法や形状に微妙なばらつきが生じることがありますが、プログラム制御ではミクロン単位での高精度な位置決めが可能です。

一度プログラムを作成すれば、同じものをいくつでも同等の品質で製造できるため、量産品において品質の均一性を保つ上で非常に有効です。

この高い再現性と精度は、特に精密部品や勘合部品の製造において重要な要素となります。

3次元などの複雑な形状も高精度に加工できる

マシニングセンタ、特に5軸制御の機械を使用することで、3次元の自由曲面や複雑な傾斜を持つ形状を高精度に加工できます。

従来の3軸加工機では、一方向からしか工具を当てられないため、複雑な形状を加工するには何度もワークの向きを変えて固定し直す必要がありました。

しかし、5軸加工機では工具の角度を自在に変化させられるため、一度の段取りで多方向からのアプローチが可能です。

これにより、航空機の部品であるインペラ(羽根車)や医療分野の人工関節など、滑らかな曲面が要求される製品の加工が効率的に行えます。

マシニング加工の加工相談やコストダウン、納期短縮、品質向上のご相談はNBKにお任せください!

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NCフライス盤とマシニングセンタの明確な違い

マシニングセンタとNCフライス盤は、どちらもNCプログラムを用いて材料を切削する工作機械であるため混同されがちですが、両者には明確な違いが存在します。

この違いを理解することは、加工方法を正しく把握する上で重要です。

最も大きな相違点は、工具を自動で交換する機能、通称ATC(オートツールチェンジャー)の有無です。

この機能があるかないかで、生産効率や一度に行える加工の種類が大きく変わってきます。

また、機械の構造的な特徴にも違いが見られます。

工具を自動で交換する機能(ATC)の有無

マシニングセンタとNCフライス盤を分ける最も決定的な違いは、ATC(オートツールチェンジャー)の有無です。
マシニングセンタにはこの機能が標準で搭載されており、プログラムの指示に従ってドリルやエンドミル、タップといった多種多様な工具を自動で交換します。
これにより、穴あけからねじ切り、平面削りまでの一連の加工を無人で行うことが可能です。

一方、NCフライス盤にはATCがないため、異なる加工を行う際には作業者が手動で刃やツール、チップを交換する必要があります。
このため、連続した多工程の加工ではマシニングセンタが圧倒的に高い生産性を発揮するツールとなります。

切りくずや切削油の飛散を防ぐカバーの有無

もう一つの違いとして、機械全体を覆うカバー(スプラッシュガード)の有無が挙げられます。
マシニングセンタは主軸が高速で回転し、大量の切りくずや切削油を激しく飛散させながら加工を行います。
そのため、作業者の安全を確保し、工場内の環境を清潔に保つ目的で、機械全体が金属製のカバーで完全に覆われているのが一般的です。
一方、NCフライス盤は比較的低速での加工が主であるため、カバーがないか、あっても簡易的なものである場合が多いです。
このカバーの存在は、安全面や環境面だけでなく、切削油の管理効率にも影響を与えます。

【加工物で選ぶ】マシニングセンタの主要4種類と特徴

マシニングセンタは、その構造や主軸の向きによっていくつかの種類に分類されます。
どの機械を選ぶかによって、加工できるワークのサイズや形状、生産効率が大きく異なるため、作りたい製品に合わせて最適な種類を選定することが重要です。

ここでは、代表的なマシニングセンタである「立形」「横形」「門形」「5軸」の4種類を取り上げ、それぞれの構造的な特徴と、どのような加工に適しているかを解説します。
これらの違いを理解することで、加工依頼時のミスマッチを防ぐことができます。

【立形】上面からの加工がしやすく汎用性が高い

立形マシニングセンタは、主軸が地面に対して垂直に設置されている最も一般的なタイプです。
加工物を上から見下ろす形で作業を進められるため、加工状態の確認が容易で、段取りも比較的簡単に行えます。
この扱いやすさから、金型製作や試作品、多品種少量生産の現場で広く活用されています。
多くの機種がX・Y・Zの3軸制御であり、平面や段差、穴あけといった基本的な加工を得意とします。
比較的小型のワークの加工に適しており、汎用性の高さから多くの加工工場で導入されているマシニングセンタです。

【横形】切りくずの排出性に優れ量産に向いている

横形マシニングセンタは、主軸が地面に対して水平に設置されているのが特徴です。
この構造により、加工中に発生した切りくずが重力によって自然に落下し、加工点に溜まりにくいという大きな利点があります。
切りくずが加工精度に与える悪影響を低減できるため、長時間の連続運転や無人運転に適しています。
特にアルミやステンレスのような切りくずが絡みやすい材質の加工で効果を発揮します。
また、パレットチェンジャーなどの自動化装置との親和性が高く、自動車部品などの量産加工ラインで高い生産性を実現します。

【門形】大型の工作物を高精度に加工できる

門形マシニングセンタは、その名の通り門のような形状のフレーム構造を持つ大型の機械です。
テーブルが広く、主軸が門型のコラムに沿って移動するため、非常に大きな工作物の加工に対応できます。

構造的に高い剛性を備えているため、重量のあるワークを加工する際に生じる機械のたわみが少なく、高精度な仕上がりが可能です。
この特性から、産業機械のベース部分や航空機の構造部品、大型の金型、鋳物といった、大きさと精度の両方が求められる重量物の加工に不可欠な存在となっています。

【5軸】複雑な形状を一度の段取りで加工できる

5軸マシニングセンタは、直線的な動きをするX・Y・Zの3軸に加えて、テーブルや主軸が回転・傾斜する2つの回転軸を持つ。
この5つの軸を同時に制御することで、工具をあらゆる角度からワークにアプローチさせることが可能だ。

そのため、インペラ(羽根車)やタービンブレード、人工関節といった複雑な3次元曲面を持つ形状も、ワークを固定し直すことなく一度の段取りで加工を完了できる。
段取り替えによる誤差の発生を防ぎ、加工時間の大幅な短縮と高精度化を実現できるのが最大の強みだ。

マシニング加工の基本的な流れ3ステップ

マシニング加工は、単に機械を動かすだけでなく、いくつかの工程を経て行われます。

まず、製品の設計データをもとに機械を動かすためのプログラムを作成し、次に加工する材料を機械に正確に固定します。

そして最後に、プログラムを実行して自動で加工を開始するという流れが一般的です。

この一連のプロセスには、荒加工から仕上げ加工までが含まれており、各ステップが最終的な製品の品質を左右する重要な役割を担っています。

ここでは、その基本的な3つのステップについて解説します。

ステップ1:CAD/CAMで加工プログラムを作成する

マシニング加工の最初のステップは、製品の設計図を基に機械を制御するためのプログラムを作成することです。

まず、CAD(Computer-Aided Design)ソフトを用いて製品の3次元モデルや2次元図面を作成します。

次に、そのCADデータをCAM(Computer-Aided Manufacturing)ソフトに取り込み、使用する工具の種類、回転数、送り速度、切削経路といった加工条件を設定し、NCプログラムを生成します。

このプログラムが機械の動きを全て指示する司令塔の役割を果たします。

加工対象の材質は金属に限らず、樹脂やセラミック、ガラスなどにも対応可能です。

ステップ2:治具を使ってワーク(材料)を固定する

プログラムが完成したら、次に加工する材料(ワーク)をマシニングセンタのテーブル上に設置します。このとき、強力な切削抵抗によってワークが動いたり、振動したりしないよう、治具(じぐ)と呼ばれる専用の固定具を用いて強固に固定することが極めて重要です。この固定が不十分だと、寸法精度が出ないだけでなく、工具の破損や機械の故障につながる危険もあります。

研磨で用いる砥石やレーザー加工とは異なり、物理的な刃物で大きな力をかけて削るため、加工の前提としてワークの確実な固定が不可欠です。

ステップ3:プログラムを実行し自動で切削加工を行う

ワークの固定が完了したら、作成したNCプログラムをマシニングセンタに転送し、加工を開始します。
プログラムが実行されると、機械はATC機能によって自動で工具を交換しながら、荒加工から中仕上げ、仕上げ加工までの一連の工程を連続して行います。
オペレーターは基本的に加工の進捗や機械の状態を監視し、異常が発生しないかを確認します。
加工を外部の会社へ依頼する際は、技術力はもちろんのこと、見積価格が相場に見合っているかなど、複数の観点から検討することが求められます。

マシニング加工の依頼で失敗しない会社の選び方

マシニング加工を外注する際には、自社の要求仕様を満たしてくれる信頼できるパートナーを選ぶことが成功の鍵となります。しかし、数多くの加工会社の中からどこに依頼すれば良いか、判断に迷うことも少なくありません。

会社の選定で失敗しないためには、単に価格だけでなく、その会社が持つ技術力や品質管理体制、対応の柔軟性など、複数の視点から総合的に評価することが重要です。

ここでは、依頼先を選定する上で特に確認すべき3つのポイントを具体的に解説します。

Point1:作りたい製品のサイズ・材質の加工実績を確認する

外注先を選定する際、まず確認すべきは、自社が作りたい製品のサイズや材質に対応できる設備と加工実績があるかという点です。

例えば、手のひらサイズの精密部品と、数メートルに及ぶ大型部品とでは、必要となるマシニングセンタの大きさが全く異なります。同様に、ステンレスやチタンといった難削材の加工には、それに対応した工具や高い剛性を持つ機械、そして長年の経験で培われた加工ノウハウが必要です。

企業のウェブサイトで加工事例を確認したり、直接問い合わせて類似製品の実績を尋ねたりすることが、ミスマッチを防ぐ第一歩となります。

Point2:ISO認証の取得など品質保証体制が明確か確認する

製品の品質は、企業の信頼性に直結する最も重要な要素です。
そのため、依頼先の品質保証体制がどのようになっているかを確認することは不可欠です。

客観的な指標として、品質マネジメントシステムの国際規格である「ISO9001」の認証を取得しているかは、一つの判断基準となります。
認証取得は、品質を継続的に改善する仕組みが社内に構築されていることを示します。

また、三次元測定器や画像測定器といった高精度な検査設備を保有しているか、どのような検査基準で全数検査または抜き取り検査を行っているかなど、具体的な品質管理の方法を確認することも重要です。

Point3:試作品1個から量産まで柔軟に対応可能か相談する

企業のニーズは、開発段階における試作品1個の製作から、事業化後の月産数千個に及ぶ量産まで多岐にわたります。
そのため、自社の事業フェーズに合わせて、生産ロットに柔軟に対応してくれる会社を選ぶことが望ましいです。

特に、試作から量産までを一貫して任せられる会社であれば、製品開発がスムーズに進み、量産移行時の品質のばらつきも抑えられます。
初回の問い合わせの際に、最小ロットはいくつか、将来的な量産への対応は可能かといった点を具体的に相談し、自社の生産計画に寄り添ってくれるパートナーであるかを見極めることが大切です。

まとめ

マシニング加工は、マシニングセンタを用いてプログラム制御に基づき、工具を自動交換しながら複数の切削工程を1台で完結させる加工技術です。
この加工方法のメリットは、工程集約による生産性向上、数値制御による安定した品質、そして5軸加工機などによる複雑形状への対応力にあります。

加工を外部の会社へ依頼する際には、作りたい製品のサイズや材質に関する加工実績の有無を確認することが重要です。
加えて、ISO認証の取得状況といった品質保証体制や、試作品1個から量産まで柔軟に対応できるかといった点も、信頼できるパートナーを選ぶための重要な判断基準となります。

マシニング加工の加工相談やコストダウン、納期短縮、品質向上のご相談はNBKにお任せください!

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