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表面粗さが大きい製品は表面がざらざらとしており、粗さが小さい製品は表面がツルツルとした状態です。
製品の質感や手触りを左右する指標といえます。
外観の品質を高めるためには表面粗さを調整することが求められますよね。
そこで今回は、表面粗さが悪化する原因とその対策について紹介します。

□表面粗さが悪くなる原因を紹介!

ここでは表面粗さが悪くなる要因を紹介していきます。
しかし、その前に表面粗さが悪くなることによって発生する課題についてみていきたいと思います。
表面粗さが悪くなることによる問題点を理解していただければと思います。

表面粗さが悪化するということは、摩擦抵抗が発生し気密性や油密性が悪化したり、切削面の光沢不良が起きたりといった問題が発生します。
それぞれの問題について詳しくみていきましょう。

・摩擦抵抗が発生し気密性や油密性が悪化する
金属同士を組み合わせるという作業が必要な製品は数多く存在しますよね。
こうした製品を作っていく場合、表面粗さが大きいと部品同士の摩擦抵抗が大きくなります。
摩擦抵抗が大きくなると、機械のすべりに悪影響を及ぼす可能性が高くなるでしょう。

また、金属同士の間に隙間が発生することにもなりますよね。
そのため、気密性や油密性も悪化してしまうということです。

・切削面の光沢不良
皆さんもご存知の通り、金属というのは磨き上げることで綺麗な光沢が生まれます。
表面粗さが悪いということは、表面がざらざらとした質感になるということです。
つまり、光沢は生まれなくなるということですね。

あえてざらざらとして質感に仕上げたい場合は問題ないのですが、多くの場合はツルツルとした綺麗な状態を目指すでしょう。
表面粗さが原因で見た目が悪くなってしまうということはよくあります。

・取り代がなくなり加工不良が発生する
寸法精度が厳しく切削加工の段階で交差内に入っていないとなると、追加工をしなければならなくなるでしょう。
表面粗さが大きいということは、それだけ改善しなければならない部分も大きいということです。
粗さを修正するための取り代がなくなれば、加工不良となってしまいます。

ここまでで3つの問題を紹介しました。
ではこうした問題を生み出す表面粗さの悪化というのは、どういった要因で発生するのかをみていきましょう。

1つ目の要因は、切削工具に構成刃先が発生した場合です。
この場合は、構成刃先は切削加工を進めていく中で、成長と脱落を繰り返すことになるでしょう。
これらが繰り返されるたびにすくい角が変化してしまいます。
この変化が表面粗さを悪化させてしまいます。

2つ目の要因は、切削工具の摩耗による切れ味の悪化です。
仕上げ工具が磨耗してしまうと、設定したすくい角を作れないことがありますよね。
また、磨耗した工具の凹凸が材料に写ることもあるでしょう。

3つ目の要因は、切削条件が間違っている場合です。
切削条件が適切に設定できていない場合は、表面粗さも悪化します。

□表面粗さの悪化に対する改善方法とは

ここまでは表面粗さの悪化による問題と表面粗さが悪化する要因について紹介しました。
表面粗さを改善するためにはどうすれば良いのでしょうか。
ここからは具体的な改善方法を2つのパターンに分けて紹介していきます。

1つ目の方法は、工具選定による対策です。
・コーティング工具を選ぶ
コーティング切削工具とは、高速度工具鋼(ハイス鋼)や超硬合金といった母材となる合金の表面を薄い膜で覆ったものです。
工具母材となる合金より硬度に優れた材質で、表面に1〜5ミクロンの薄い膜を形成することでコーティングを行います。

こちらを採用することで構成刃先の問題を解決できます。
構成刃先というのは、切削工具とワークの組み合わせ次第で発生のしやすさが変化します。

コーティングが施されていることで、発生を抑制できます。
構成刃先の発生が抑制できるということは、表面粗さも改善されるでしょう。

・インサートのコーナーRが小さく、すくい角が大きい工具を選ぶ
コーナーRが小さくするのは、加工時の抵抗を抑えることが目的です。
また、すくい角を大きくし、工具の摩耗をできる限り抑えることで表面粗さは改善されるでしょう。

・ワイパーインサートを選ぶ
ワイパーインサートとはコーナ半径と直線刃の接線部分にワイパー(仕上げ刃)を設けたインサートです。
こちらを使用すると、加工条件はそのままで送りを上げても表面粗さを改善できます。
また、切削工具の摩耗を抑制できるという効果もあるため、工具の長寿命化にもつながります。

2つ目の方法は、切削条件による対策です。
表面粗さを改善するためには、一刃あたりの切削量を小さくすることがおすすめです。
一刃あたりの切削量を小さくするためには3つの方法があります。
それぞれの方法について詳しく紹介していきます。

・送り速度を下げる
工具への負荷を過度に上げることなくFzを小さくできるというメリットがありますが、工具の移動スピードが遅くなるというデメリットがあります。
移動スピードが低下するということは、生産性が下がってしまうということです。

・回転数を増やす
材料の種類や工具の寸法、種類ごとの適切な周速については工具メーカーが設定しているかと思います。
回転数を変更する場合にはお使いの工具メーカーに問い合わせてみてくださいね。

・工具の刃数を増やす
材料寸法によっては適用できなかったり、コストが増加したりというデメリットがあります。
しかし、切断面をきれいにしながらも高速送りが可能となるといった製造面におけるメリットも大きいです。

工具の刃数変更は工具メーカーの協力が不可欠です。
興味があれば一度相談してみるのがおすすめです。

□まとめ

今回は、表面粗さが悪化する原因とその対策について紹介しました。
表面粗さの悪化でお悩みの方はぜひ参考にしてくださいね。
本稿を参考にして納得のいく製品を作っていただければ幸いです。

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