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放電加工は除去加工でありながら、切削加工や研削加工とは異なる加工方法です。
熱エネルギーを利用した加工方法で、加工に時間はかかりますが、高い精度を出せます。
今回は、放電加工の中でもワイヤー放電加工に焦点を当てます。
ワイヤー放電加工機の加工精度について紹介します。

□放電加工の特徴を紹介

まずは放電加工の特徴について紹介します。
放電加工とは、その名前の通り放電現象を活用した加工方法です。
放電時に発生する熱で素材を溶かしながら任意の形へと加工を行います。

加工方法についてもう少し詳細に紹介しますね。
まずは絶縁性のある液体を用意します。
脱イオン水や石油が採用されることが多いです。
これらの中に工作物を沈めます。

そして、工作物と電極との間にパルス電圧を印加します。
こうすることで、アーク放電が発生します。
放電時の温度は3000度以上にも上がります。
この熱を利用して工作物が溶かされるということですね。

通常であれば熱で溶かすという方法の特性上、工作物の溶けた部分が飛び散ってしまいます。
飛び散らないようにするために液体の中に加工物を沈めるということですね。
また、この液体には加工物を冷却する役割もあります。

放電加工は電極の付近の工作物のみが溶かされます。
それはつまり、電極の形に工作物が溶けていくということです。
そのため、電極の形を変えることでさまざまな形状へとか加工ができます。
さらに、放電加工は工作物が電気と通す性質を持ってさえいれば、どんな形素材でも加工ができるという特徴があります。

冒頭でも紹介したようにこの加工方法は、加工に時間がかかりますが、高い精度を出せるという点で重宝されています。

□加工精度の違いについて紹介

ここからはいよいよワイヤー放電加工の話をしていきたいと思います。
ワイヤー放電加工機はさまざまなメーカーが取り扱いをしております。
これらを汎用加工機、高精度加工機、超高精度加工機の3種類に分類して、それぞれの特徴について紹介します。

・汎用ワイヤーカット放電加工機
こちらはそれほど高い精度が要求されない部品を作りたい場合に使用されることが多いです。
具体例を挙げるとすれば、交差の緩い部品の穴加工や形状加工、鋼板を数枚重ねた状態で抜き加工をするといったものが当てはまります。
加工精度に関してはおよそ±0.01ミリメートルです。

・高精度ワイヤーカット放電加工機
こちらはおよそ±0.005ミリメートルの精度で部品加工や金型加工を行えます。
汎用加工機との違いとしては、ピッチ精度に関してもおよそ±0.005ミリメートルで加工が可能である点が挙げられます。

・超高精度ワイヤーカット放電加工機
こちらはおよそ±0.002ミリメートルの精度で加工できます。
機械そのものの剛性も高く、機械自体に温度変化が発生しないようなシステムが導入されています。
加工機によっては門型を採用することで剛性を高めている種類もあります。
加工精度はもちろんですが、ピッチ精度や面粗度も高いという点が特徴的です。

□精度を高めるための方法を紹介

ここからはさらに精度を高めるための方法について紹介したいと思います。
なかなか思ったように加工ができないという方はぜひ参考にしてくださいね。

・加工回数を増やす
まずは加工回数を増やすことが大切です。
切断面の表面粗さを改善するためには、加工回数を増やして凹凸を減らすことがおすすめです。
時間はかかるかもしれませんが、より綺麗な断面になるでしょう。

・加工条件を調整する
ワイヤー電極線に流す電流の強さを変えるというのもおすすめの方法です。
先ほどの加工回数を増やす方法と同時に採用されることが多いです。
最初に強めの電流を流して加工をして、徐々に電流の強さを落としていくということです。

・細いワイヤー線を使用する
できる限り細いワイヤー線を使用することも、精度を高めたい方におすすめです。
ただし細いワイヤーというのは、切れやすいのでその点は注意が必要です。
加工速度も遅くなるので生産性とのバランスを取ることが求められます。

・タングステンワイヤーを使用する
ワイヤー線に使用される素材として一般的なのは真鍮です。
放電特性に優れており高い精度も出せます。

しかし、より高い精度を出せる素材が存在します。
それがタングステンワイヤーです。
加工精度を高めることはできますが、真鍮素材のものよりも費用がかかります。

・加工液を油にする
発火や取り扱いという観点から水を採用しているところは多いでしょう。
しかし、水と油では絶縁抵抗が異なります。
そのため、高い精度を出したい場合には油を使用することも検討した方が良いかもしれません。

・高精度なワイヤーガイドを使用する
ワイヤーガイドも精度を出すためにはおすすめの方法です。
ワイヤー線よりもテンションをかけて張る必要があるので気をつけてくださいね。

・メーカーごとにワイヤー放電加工機の調整をする
加工機の種類によって加工精度に差はあります。
そのため、同じワイヤーを使用していても加工機が異なれば精度は変化します。
使用している放電加工機ごとに加工条件を調整することが大切です。

□まとめ

今回は、ワイヤー放電加工機の加工精度について紹介しました。
ワイヤー放電加工はもともと高い精度を出せる加工方法ですが、さらに高い精度を出したいという方は、ぜひ本稿を参考にしてくださいね。

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