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放電加工機は非常に精度の高い加工ができるという点でとても便利ですが、電極の消耗で悩んでいる方は多いでしょう。
電極が消耗すれば新しいものへと交換しなければいけません。
消耗が激しければ激しいほどその分コストがかかりますね。
そこで今回は、放電加工における電極の消耗でお悩みの方へ解決策を紹介します。

□放電加工の原理について紹介

まずは放電加工の原理についておさらいしておきましょう。
放電加工について理解できているという自信のある方も意外な発見があるかもしれないので、ぜひ読んでみてくださいね。

放電加工は工作物を絶縁性のある物体に沈めながら加工を行います。
そして、その状態の工作物に対して電流を流している電極を近づけることで、電極と工作物との間に放電を発生させます。
放電自体は一定時間が経過すると収まりますが、同様の手順を繰り返すことで連続的に放電が発生します。

そして、この放電が発生するとその周辺は非常に高温になります。
この熱を利用して工作物を溶かしながら任意の形へと加工するのが放電加工です。

放電加工は放電を利用するため電気を通す素材しか加工ができません。
これがデメリットのように感じられる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、放電加工は電気を通す素材であればどれだけ硬い素材でも加工できるという特徴があります。

ここから先は電極についての話が続くので、放電加工で使用される電極の材質についても紹介しておきましょう。
使用される素材は主に3種類です。
それぞれの特徴について見ていきましょう。

・銅
こちらは最もコストが安いものです。
電気抵抗が少なく熱伝導率が高いという特徴があります。
デメリットとしては、耐熱性が低いという点です。

・グラファイト
こちらは銅とは異なり、熱に強いという特徴があります。
熱による変形する可能性を低減できるということですね。
一言にグラファイトと言っても多くの種類が存在しています。
そのため、用途に合わせて適切なものを選択する必要があります。

・タングステン
こちらは熱伝導率の良い銅と合わせて使用されることが非常に多いです。
放電加工は超硬合金を加工することもあります。
こうした硬度の高い素材の加工では電極を非常に消耗してしまいます。

しかし、タングステンであれば消耗を抑えられるのです。
そのため、タングステンは超硬合金の加工時に重宝されています。

□電極の消耗とはそもそも何?

ここからは電極消耗について詳しく紹介したいと思います。

先ほど放電加工の原理のところで、この加工方法では放電を発生させることを紹介しました。
放電時の熱で工作物を溶かすということですが、その影響を受けるのは工作物だけではありません。
電極自体も発生した火花で損傷してしまうのです。
この損傷のことを電極消耗と呼んでいるのです。

そして、工作物が加工される量と電極の消耗率の比率のことを電極消耗率と呼ぶこともあります。
電飾消耗率は、以下の3つの要素によって変化します。
・電極と工作物の材質の組み合わせ
・印加する電圧の極性
・火花の継続時間

□電極の消耗はどう解決する?

ここからは電極の消耗が発生する要因とその消耗を低減するための方法を紹介したいと思います。

まずは消耗が起きる要因から紹介したいと思います。
電極から発生する放電の温度は、6000〜8000度であることがわかっています。
その一方で電極に使用されることの多い銅の融点は1085度とされています。
また、一般的な被加工材である鋼は融点が1580度とされています。

ここまで紹介すると一見、電極である銅が多く溶け出すのではないかと思いますよね。
しかし、実際は鋼の方が銅よりも多く溶け出してしまいます。

これには熱伝導率が関係しています。
銅は鋼よりも熱伝導率が4倍高いとされています。
つまり、銅の材料の表面が高温にさらされたとしても、その熱を素早く外に逃すことができるということです。
一方で鋼は熱伝導率が悪く、熱が内部に残ってしまうために溶け出す量が多くなるのです。

これを利用して放電条件を調整すると電極の消耗を抑えられるのです。
しかし、それでも電極は消耗してしまいます。

また、加工面の粗さを小さくするための仕上げではさらに消耗が激しくなることがわかっています。
こうした状況への対策として提案されているのが、放電電流を徐々に大きくする
電流波形です。
これによって大幅に電極の消耗を抑えられることがわかっています。

銅電極をプラス極にして比較的長いパルス幅で加工する荒加工条件であれば、油の熱分解カーボンが電極表面に付着することで電極を保護してくれます。
仕上げ条件においては、その保護膜が除去され、銅電極自体の消耗を防いでくれます。

□まとめ

今回は、放電加工における電極の消耗でお悩みの方へ解決策を紹介しました。
電極の消耗を完璧に避けることは難しいです。
しかし、紹介した方法を実践すれば消耗を低減することはできるでしょう。
本稿が放電加工に携わる方々の参考になれば幸いです。

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