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砥石を使った研削作業は、工業製品の製造に欠かせない製造工程ですよね。
研削機械を導入し生産ラインを自動化させることで、作業効率の向上や品質の安定化が期待できます。
しかし、砥石には研削効率を高めるための自己修復機能があり、その自生作用が研削精度や寿命に大きく影響を与えます。
そこで今回は、砥石の自生作用を中心に話を進めていきたいと思います。

□砥石の基礎知識

まずは砥石の基礎知識について紹介します。
知っているという方は多いかもしれませんが、念のために一緒に確認しておきましょう。

砥石の3つの要素は、砥粒、結合剤、気孔です。

砥粒は、砥石が物質を削るために不可欠な部分であり、砥石の表面に固定された微細な粒子です。
砥粒は、砥石の種類によって異なり、ダイヤモンドやシリコンカーバイト、アルミナなどが使用されます。

結合剤は、砥粒を固定する役割を持ち、砥粒間の空隙を埋めることで砥石全体を固めます。

気孔は、結合剤の中に存在する微小な空洞であり、砥石の性能に大きく影響します。気孔が多い砥石は研削時に熱が発生しにくく、砥粒が長持ちする傾向があります。

これら3つの要素は、砥石の研削性能や砥石の耐久性に影響を与えます。
砥石を選ぶ際には、材料の種類や形状、硬度や粘度、研削条件などを考慮して、砥石の材質や粒度、結合剤の種類や量を適切に選択する必要があります。

□自生作用とは

自生作用とは、砥石表面における砥粒の新しい研削刃の露出を指します。
砥石が回転しながら砥粒がワークに当たることで、砥粒の先端が摩耗・欠損し、新しい砥削刃が露出してくることによって研削が継続できるということです。

砥石表面には、砥粒や結合剤、気孔があります。
このうち、砥粒が砥石の主役と言えます。
砥粒は、鉱物から作られ、基本的には小さな砂粒状です。
砥粒は、砥石表面に埋め込まれていますが、回転することで研削面に露出し、この露出した砥削刃がワークに当たることで、研磨が進行します。
そして、砥削刃が摩耗すると再び新しい砥削刃が露出して研削が継続されます。
これが自生作用の原理です。

自生作用が生じるためには、砥石の回転数、砥石表面の砥粒密度、ワークの回転数、進行速度、砥石とワークの接触圧力、冷却・潤滑方法など多くの条件があります。
これらの条件を最適化することで、より効率的な自生作用が生じ、より高精度な研削が可能になります。

自生作用が生じる砥石には、多くの種類があります。
例えば、金属材料の研削には、アルミナ、シリコンカーバイト、セラミックス、ダイヤモンドなどが使用されます。
また、砥石には耐久性、切削性、研削面粗さ、砥削温度上昇などの性質があり、これらの性質を理解し、最適な砥石を選択することが重要です。

自生作用を利用することで、高精度な研削加工が可能になりますが、不適切な砥石の使用や適切なメンテナンスが行われていない場合、トラブルが発生することがあります。

□砥石関連のトラブル

砥石の中でも特にトラブルが起こりやすいのが、目つぶれ、目こぼれ、目詰まりです。
それぞれがどういったものかについてみていきたいと思います。

・目つぶれについて
目つぶれは、砥石表面の砥粒が削れて欠けてしまうことで起こります。
この欠けた砥粒が砥石表面に埋没し、新たな砥粒が露出することで表面が滑らかになり、砥削力が低下します。
この結果、加工精度が低下するだけでなく、砥石自体の寿命も短くなってしまいます。

・目こぼれについて
目こぼれは、砥石表面の砥粒が削れるときに、砥粒同士が衝突することで砥粒が欠け、砥石表面から外れてしまう現象です。
砥粒が飛び出してしまうと、加工品の表面に傷がつくことがあり、砥石寿命の低下も招きます。

・目詰まりについて
目詰まりは、砥石表面の気孔が目詰まりすることで、切削性能が低下する現象です。
目詰まりの原因としては、砥粒が過剰に付着してしまう、砥石の表面が堆積物で汚れている、砥石が硬すぎて気孔が小さい、切削速度が低いなどが挙げられます。
目詰まりが起こると、砥石の切削性能が低下し、加工時間が長くなるだけでなく、砥石の寿命も短くなってしまうため、適切な対策が必要です。

これらのトラブルを避けるためには、砥石の選定と適切な操作が重要です。
砥石を選ぶ際には、加工対象の材料や形状、目標の表面仕上げなどを考慮して、適切な砥石を選ぶようにしましょう。
また、機械を操作する際は、切削速度や切り込み量、冷却液の使用量や流量などを調整し、砥石を正しく使うことが大切です。
さらに、砥石の寿命が尽きた際には、適切なタイミングで砥石を交換することが必要です。

□まとめ

今回は、砥石の自生作用について紹介しました。
砥粒、結合剤、気孔の役割について理解していただけたでしょうか。
自生作用について知り、トラブルを防ぐための対策を考えることが大切です。
研削機を導入する前に、しっかりと砥石の性質を理解しておきましょう。

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