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製造業において、精密な部品を作り出すためには、高い技術と適切な機材が必要です。
放電加工は、高精度な部品を作るために欠かせない技術の1つです。
その中でも、電極は放電加工において重要な役割を担っています。
そこで今回は、放電加工に欠かせない電極の選び方について紹介します。

□放電加工の特徴について

ここではまず放電加工の特徴について紹介したいと思います。

放電加工は、非接触加工の一種で、主に金属加工に用いられる加工方法です。
高周波を加えた電気放電を用いて、加工対象物の一部を削り取ることで形を作り出します。
この方法は、硬度の高い金属材料でも加工できるため、精密な金型や部品、さらには歯科技工物の製造にも使用されます。

放電加工は、機械的な力が加わらないため、対象物の変形や表面処理が必要ないという利点があります。
また、高い精度と細かい加工が可能であり、微細な部品の加工に適しています。
さらに、放電加工は切削加工と比較して加工速度が遅いため、表面粗さが少なく、加工後の仕上げ作業が不要になることがあります。

しかし、放電加工には欠点が存在します。
放電加工は、電極と被加工物の間に微小な隙間が必要であり、この隙間が加工に影響を与えることがあります。
また、加工中に放電によって生じる熱が多く、加工品質に影響を与えることがあります。
さらに、加工中に発生する微小な金属粒子が空気中に飛散するため、加工場の環境汚染が起こることがあります。

これらの特徴を理解し、適切な材料と条件を選択することで、放電加工を最大限に活用することができます。次に、電極に使用する材料の特徴について見ていきましょう。

□電極に使用する材料の特徴について

電極材料には、主に銅、グラファイト、銅タングステン、銀タングステンが使われることが多いです。
それぞれの特徴について一緒に確認していきましょう。

・銅
銅は、放電加工において最も一般的に使用される材料の1つです。
高い熱伝導性があるため、加工時に生じる熱をすばやく放散することができます。
また、柔軟性があり、形状を自由に加工することができます。
一方で、銅は比較的柔らかいため、加工対象物が硬い場合には早く摩耗してしまうという欠点があります。

・グラファイト
グラファイトは、炭素素材の一種で、放電加工においてもっとも使用される電極材料です。
グラファイトは、高い耐熱性や耐摩耗性があり、銅に比べて硬度が高く、加工対象物が硬い場合でも比較的長い時間使用できます。
また、自己潤滑性があるため、加工時に熱が発生しても、摩擦熱がグラファイト表面に油膜を形成して潤滑できます。
一方で、比較的高価であるため、コストがかかることが欠点です。

・銅タングステン
銅タングステンは、銅とタングステンを混合した材料で、銅の柔軟性とタングステンの硬度を併せ持った特性を持ちます。
そのため、加工対象物が硬く、かつ、高精度の加工が必要な場合に適しています。
ただし、グラファイトに比べて硬度は低いため、長時間の加工には向かないとされています。

・銀タングステン
銀タングステンは、高い導電性と高い融点を持つため、放電加工に使用されることがあります。
銀タングステンは銀とタングステンを合金化しているため、銅と比べると硬度が高く、磨耗性も優れています。
また、熱伝導率も高いため、放電加工時に発生する熱を速やかに逃がせます。
そのため、加工速度が速く、精度が高い加工が可能です。

以上が、電極に使用される代表的な材料である銅、グラファイト、銅タングステン、銀タングステンの特徴でした。
材料によってそれぞれ特徴が異なるため、加工する材料や目的に合わせて最適な材料を選定することが大切です。

□電極材質の選定方法

放電加工に使用する電極の選定には、以下のポイントが大切です。

・材質の熱伝導率
放電加工においては、材料の融点よりも低い温度で加工を行うため、電極は高温になりやすく、熱が蓄積されます。
そのため、電極材料の熱伝導率が高いほど、放電加工による熱による変形や欠けのリスクが低くなります。

・耐摩耗性
電極は加工対象物に直接接触し、摩耗が発生することがあります。
そのため、電極材料の耐摩耗性が高いほど、電極の寿命が長くなります。

・耐腐食性
放電加工に使用する電解液には酸やアルカリなどの腐食性のある物質が含まれることがあります。
そのため、電極材料は腐食に強いものを選ぶ必要があります。

・規格や形状
電極には規格や形状があり、それぞれの加工に最適な電極を選ぶ必要があります。
また、電極の形状によって加工範囲や精度が変わるため、加工する対象物に合わせて適切な形状を選択する必要があります。

・コスト
電極材料はそれぞれ価格が異なり、コストも選択の要素となります。
高品質な電極材料を選ぶことで加工の品質が向上する一方、コストが高くなる場合もあります。
そのため、コストパフォーマンスに優れた材料を選択する必要があります。

□まとめ

今回は、放電加工に欠かせない電極の選び方について紹介しました。
銅、グラファイト、銅タングステン、銀タングステンといった材料は、それぞれ特徴が異なります。
本稿が放電加工機を導入する方の参考になれば幸いです。

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