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NC工作機械とは?仕組みやマシニングセンタとの違いをわかりやすく解説

NC工作機械とは、プログラムによる数値制御で工具や加工対象物を動かし、金属などの材料を自動で加工する機械のことです。

この記事では、NC工作機に関心がある方や導入を検討している担当者に向けて、NC工作機械についての基本的な仕組み、マシニングセンタといった他の機械との違い、主な種類、導入のメリットや注意点を解説します。

NC工作機械の基本をわかりやすく解説

NC工作機械を理解する上で、まず基本となる「NC」の意味や機械の構造を知ることが重要です。

NCとはNumericalControl(数値制御)の略称であり、機械の動きを数値情報で制御する技術を指します。

このセクションでは、NC工作機械がどのような構成要素から成り立ち、いかにして自動加工を実現しているのか、その基本的な構造と仕組みを解説します。

NC工作機械とは数値制御で自動加工を行う機械

NC工作機械は、工具の移動距離や加工対象物を設置するテーブルの送り速度といった情報を数値化し、そのデータに基づいて自動で加工を行うことができる機械です。

具体的には、あらかじめ作成されたプログラムの指令に従い、サーボモータが工具やテーブルを精密に駆動させることで、設計通りの形状に材料を削り出します。

人の手で操作する汎用工作機械とは異なり、作業者の熟練度に依存せず、常に一定の品質で加工できるのが大きな特徴です。

この数値による制御システムによって、複雑な形状の部品でも高い精度で量産することが可能となります。

NCプログラムによって動作する仕組み

NC工作機械は、NCプログラムに記述された指令に基づいて動作します。
このプログラムは、工具の経路、回転数、送り速度などを定めた一連の命令文で構成されており、GコードやMコードといった専用のコードが用いられます。

まず、オペレーターが作成またはCAD/CAMシステムから出力したNCプログラムをNC装置に読み込ませます。
NC装置がプログラムのコードを一行ずつ解読し、電気信号に変換して各軸のサーボモータへ指令を送ります。
指令を受けたサーボモータは、ボールねじなどの機構を介して工具やテーブルをプログラム通りに正確に動かし、設計された通りの加工が実行されるという仕組みです。

NC工作機械と他の機械との明確な違い

NC工作機械について理解を深めるには、類似する他の機械との違いを把握することが有効です。
特に「CNC」や「マシニングセンタ」、「汎用工作機械」は混同されやすいですが、それぞれに明確な特徴があります。
ここでは、コンピュータの有無や自動工具交換機能、操作方法といった観点から、それぞれの機械とNC工作機械との違いを具体的に説明し、その位置づけを明らかにします。

NCとCNCの違いはコンピュータを内蔵しているかどうか

NCとCNCの最も大きな違いは、制御部分にコンピュータを内蔵しているかどうかにあります。
NC(Numerical Control)は、パンチテープなどを用いて数値情報を読み取り、機械を制御する初期の技術を指します。
一方、CNC(Computerized Numerical Control)は、マイクロプロセッサなどのコンピュータを内蔵しており、プログラムの記憶や編集が装置上で容易に行えます。
これにより、より複雑で高度な制御が可能になりました。
現在、市場で「NC工作機械」として流通している機械のほとんどは、実際にはこのCNCの仕組みを採用しています。
そのため、最新の工作機械においては、NCとCNCはほぼ同義の言葉として使われるのが一般的です。

マシニングセンタとの違いは自動工具交換機能の有無

マシニングセンタとNC工作機械の違いは、ATC(Automatic Tool Changer)と呼ばれる自動工具交換機能の有無にあります。
マシニングセンタは、NC工作機械の一種であり、特にNCフライス盤をベースにATCを備えたものを指します。
この機能により、穴あけ、フライス削り、ねじ切りといった異なる種類の加工を、人の手を介さずに一台で連続して行うことが可能です。
プログラムの指令に応じて自動で工具を交換するため、多工程にわたる加工の段取り替えが不要となり、生産効率が大幅に向上します。
NC工作機械という大きなカテゴリの中に、ATCを持つ高機能な機種としてマシニングセンタが位置づけられます。

汎用工作機械との違いは操作が手動か自動か

NC工作機械と汎用工作機械の根本的な違いは、操作が自動か手動かという点です。
汎用工作機械は、作業者がハンドルやレバーを直接操作して、刃物の位置や送り量を調整しながら加工を行います。
そのため、製品の仕上がり精度は作業者の経験や技量に大きく左右されます。

一方、NC工作機械は、事前に作成されたプログラムに基づいて機械が自動で加工を進めます。
作業者は主にプログラムの入力や素材のセッティング、機械の監視を担当するため、属人性が排除され、誰が操作しても安定した品質の製品を量産できます。
これにより、品質の均一化と生産性の向上が実現されます。

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代表的なNC工作機械の種類

NC工作機械には、加工する製品の形状や目的、材質に応じて多種多様な種類が存在します。
それぞれの機械は得意な加工方法が異なり、製造現場ではこれらのNC工作機械の種類を適切に使い分けることで、効率的な生産活動が行われています。
ここでは、代表的なNC工作機械である「NC旋盤」「NCフライス盤」「NC研削盤」などを取り上げ、それぞれの特徴と主な用途について解説します。

材料を回転させて切削する「NC旋盤」

NC旋盤は、加工対象となる材料(ワーク)を主軸のチャックで掴んで回転させ、固定されたバイトと呼ばれる切削工具を当てることで加工する機械です。
主に丸棒状の材料から、外径削り、穴あけ、ねじ切りなどを行い、シャフトやボルト、フランジといった円筒形の部品を製作するのに用いられます。
数値制御によってバイトの移動を高精度にコントロールするため、テーパ形状や複雑な曲面を持つ部品も正確に加工可能です。
自動車部品や産業機械の精密部品など、さまざまな分野で活用されている代表的なNC工作機械の一例です。

工具を回転させて平面や溝を加工する「NCフライス盤」

NCフライス盤は、テーブルに固定した加工対象物に対し、回転するフライス工具を動かして切削を行う工作機械です。NC旋盤が材料を回転させるのとは対照的に、工具側が回転するのが特徴です。

平面加工、溝入れ、穴あけ、側面削りなど、角物部品を中心とした多様な加工に対応できます。

X軸(左右)、Y軸(前後)、Z軸(上下)の3軸を同時に制御するのが基本ですが、これに回転軸や傾斜軸を加えた4軸や5軸のNCフライス盤も存在します。

特に5軸加工機は、一度の段取りで複雑な曲面や傾斜面を効率的に加工できるため、金型や航空機部品といった高付加価値製品の製造に不可欠です。

砥石で高精度に表面を仕上げる「NC研削盤」

NC研削盤は、高速で回転する砥石を用いて、加工物の表面をわずかに削り取ることで、極めて高い寸法精度や滑らかな仕上げ面を得るための工作機械です。

主に、NC旋盤やNCフライス盤による切削加工後の最終仕上げ工程で用いられます。

数値制御により、砥石の位置や送り量をミクロン単位で精密にコントロールし、他の加工方法では達成が難しい高精度な加工を実現します。

制御装置には、高いシェアを誇るファナック社製などが広く採用されており、ベアリングや歯車といった精密な摺動部品や、金型の仕上げ加工に欠かせない存在となっています。

旋盤とマシニングセンタの機能を併せ持つ「ターニングセンタ」

ターニングセンタは、NC旋盤の機能にマシニングセンタの機能を融合させた複合加工機です。
主軸による旋削加工(ターニング)に加え、回転工具を用いたフライス削り、穴あけ、タップ加工(ミーリング)も一台で行うことができます。

多くの場合、自動工具交換装置(ATC)を搭載しており、旋削用とミーリング用の工具を自動で交換しながら連続加工が可能です。
これにより、従来は旋盤とマシニングセンタの複数台で行っていた工程を1台に集約でき、段取り時間の短縮や生産リードタイムの削減、設置スペースの節約に貢献します。

多くの工作機械メーカーが開発を手がけており、多品種少量生産の現場で特に威力を発揮します。

NC工作機械を導入する4つのメリット

NC工作機械の導入は、製造現場に多くの利点をもたらします。
プログラムによる自動運転は、単に作業者の負担を軽減するだけでなく、製品の品質、生産効率、そして作業環境の安全性といった多岐にわたる側面で大きなメリットを生み出します。
ここでは、NC工作機械を導入することで得られる4つの主要なメリットについて、それぞれ具体的に解説します。

複雑な形状でも高い精度で加工できる

NC工作機械を導入する大きなメリットの一つは、加工精度の高さです。
プログラムに基づいて工具やテーブルがミクロン単位で制御されるため、手作業では実現が困難な三次元の複雑な形状や微細な加工も、高い再現性で正確に作り出すことができます。

近年では、CADで作成した設計データをCAMソフトウェアに取り込み、NCプログラムを自動生成する流れが主流です。
これにより、設計者の意図を忠実に反映した加工が可能となり、試作品から量産品まで、一貫して高い精度の製品を供給できます。

この高精度加工能力は、製品の付加価値を高める上で不可欠な要素です。

作業の自動化により生産性が向上する

NC工作機械は、FA(ファクトリーオートメーション)を実現する上で中核的な役割を担います。
一度プログラムと材料をセットすれば、機械が自動で連続加工を行うため、夜間や休日を含めた長時間の無人運転も可能になります。
これにより、24時間体制での生産が可能となり、生産性は飛躍的に向上します。
また、一人の作業者が複数のNC工作機械を同時に管理する「多台持ち」が容易になるため、省人化にも大きく貢献します。
加工時間を短縮し、人的リソースを他の付加価値の高い業務に振り分けることで、工場全体の生産効率を最大化できます。

繰り返し同じ加工をしても品質が安定する

品質の安定性は、NC工作機械がもたらす重要な利点です。
汎用工作機械による手作業では、作業者の熟練度や集中力、体調などによって加工精度にばらつきが生じる可能性があります。
しかし、NC工作機械はプログラムに沿って正確な動作を何度でも繰り返すため、生産ロットや作業者が変わっても、常に均一な品質の製品を製造できます。
この結果、不良品の発生率が大幅に低減し、製品の信頼性が向上します。
高いシェアを持つメーカーの製品は、こうした品質安定性を支える高い剛性や耐久性を備えており、長期にわたる安定生産を実現します。

危険な作業を機械に任せて安全性を高められる

製造現場における作業の安全性を高められる点も、NC工作機械導入の大きなメリットです。
切削加工には、高速で回転する工具や飛散する切りくず、重量物の取り扱いなど、労働災害につながる危険が伴います。
NC工作機械の多くは、加工空間がカバーで覆われており、運転中はドアがロックされる安全装置が備わっています。
これにより、作業者が危険な可動部に直接接触するリスクを大幅に低減します。
危険な加工作業そのものを機械に任せることで、作業者は安全な場所から機械の監視や段取りに集中でき、より安全な労働環境を構築できます。

NC工作機械を導入する前に知っておきたい注意点

NC工作機械の導入は多くのメリットをもたらしますが、その一方で事前に把握しておくべき注意点やデメリットも存在します。
高額な初期投資や、運用にあたって専門的な知識が求められるといった課題は、導入計画を立てる上で重要な検討項目です。
これらの注意点をあらかじめ理解し、対策を講じることで、導入後のミスマッチを防ぎ、スムーズな運用へとつなげることが可能になります。

導入には高額な初期コストがかかる

NC工作機械を導入する際の最大の課題は、高額な初期コストです。
機械本体の価格が数百万円から数千万円と、汎用工作機械に比べて非常に高価です。
さらに、機械本体だけでなく、切削工具やワークを固定する治具、CAD/CAMソフトウェア、測定機器といった周辺設備への投資も必要になります。
加えて、機械の搬入・設置費用や、場合によっては工場の電源工事費なども発生します。
これらの初期投資を回収するためには、導入後の稼働率や生産性を考慮した詳細な費用対効果のシミュレーションが不可欠です。
加工品が変わるごとの段取り時間もコストに影響するため、運用計画も重要です。

操作やプログラミングには専門的な知識が求められる

NC工作機械を最大限に活用するためには、オペレーターに専門的な知識とスキルが要求されます。
機械の操作はもちろん、GコードやMコードといったNCプログラムを理解し、作成・編集する能力が不可欠です。

また、加工する材料の特性や工具の種類に応じて、最適な回転数や送り速度といった切削条件を設定する知識も求められます。
これらのスキルを習得するには、一定の学習と訓練期間が必要です。

そのため、導入と同時に、既存の従業員への教育計画を立てるか、専門知識を持つ人材を新たに確保する必要があります。
定められた作業手順に従い、正しい手順で操作できる人材の育成が安定稼働の鍵となります。

自社に最適なNC工作機械を選ぶための3つのポイント

多種多様なNC工作機械の中から自社に最適な一台を選ぶことは、導入を成功させるための重要なステップです。
企業の生産性や製品品質は、選定した機械の性能に大きく左右されます。
ここでは、自社の加工目的や生産規模といった用途を明確にした上で、後悔のない選択をするために押さえておくべき3つのポイントを解説します。

加工したい製品の目的や大きさに合わせて選定する

NC工作機械を選ぶ上で最も基本となるのが、加工対象の明確化です。
主にどのような材質のものを、どのくらいの大きさで、月産どの程度の量を、そしてどのレベルの精度で加工したいのかを具体的に定める必要があります。

例えば、手のひらサイズの精密部品を加工するのか、あるいは1メートルを超える大型の構造部品を加工するのかによって、必要とされる機械のサイズやストローク、主軸の仕様は全く異なります。
また、将来的に生産品目が変わる可能性も考慮し、ある程度の汎用性や拡張性を持たせることも重要です。

長期的な運用を見据え、機械の剛性や耐久性、メンテナンスのしやすさも比較検討します。

導入後のサポート体制が充実しているか確認する

NC工作機械は高額な投資となるため、導入後のアフターサポート体制はメーカーや販売代理店を選ぶ上で極めて重要な要素です。
万が一の故障やトラブルが発生した際に、迅速に対応してくれるサービス拠点が国内にあるか、技術的な質問に答えてくれる相談窓口が設けられているかを確認します。
また、定期的な点検やメンテナンスのサービスが提供されているか、消耗品や交換部品の供給が安定しているかも重要なポイントです。
導入時の操作指導やプログラミング教育といったトレーニングプログラムが充実しているメーカーを選ぶことで、導入後の立ち上がりをスムーズにし、長期にわたって安心して機械を運用できます。

操作する従業員への教育計画を立てる

高性能なNC工作機械を導入しても、それを扱うオペレーターのスキルが伴わなければ、その能力を十分に引き出すことはできません。

したがって、機械の選定と並行して、操作を担当する従業員への教育計画を具体的に立てることが不可欠です。メーカーが主催する操作講習やプログラミングスクールへの参加を計画したり、社内でOJT(On-the-JobTraining)を実施するための体制を整えたりする必要があります。

特に、これまで汎用工作機械のみを扱ってきた従業員には、NCの基本的な概念から丁寧に指導することが重要です。計画的な人材育成を行うことで、機械の導入効果を最大化し、安全かつ効率的な生産体制を構築します。

まとめ

NC工作機械は、NCプログラムによる数値制御を用いて、工具や加工物を自動で動かし精密な加工を実現する機械です。
現在ではコンピュータを内蔵したCNCが主流となっています。
自動工具交換機能を持つマシニングセンタもNC工作機械の一種であり、手動操作の汎用工作機械とは明確に区別されます。
NC旋盤やNCフライス盤など、用途に応じた多様な種類が存在します。
導入のメリットには、高精度な複雑形状加工、生産性の向上、品質の安定、作業の安全性確保が挙げられます。
一方で、高額な初期コストや、操作・プログラミングに関する専門知識が必要という注意点もあります。
自社に最適な機械を選ぶ際は、加工目的や対象物の大きさを明確にし、メーカーのサポート体制を確認し、従業員への教育計画を立てることが求められます。

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